今年もまた、先週の土曜日にフジテレビで27時間テレビをやっていた。このシリーズが始まった当初はいろいろと、特に深夜がメチャクチャで面白かったが、最近はどうなのだろう?。みのが出ていた、司会で。みのが司会で夜中のニューハーフ当てクイズや整形美人当てクイズというのもなかろう。出たのは鶴瓶の下半身ぐらいか。
27時間引っ張るための苦労もいろいろあるだろうが、始まって一時間のオープニングの後にいきなりナイター中継というのは手抜き過ぎだろう。それはレギュラーメニュー。まあ、私も部分的にしか見ていないが、松雪泰子主演のドラマは同郷のよしみで見てみたが、昨年の「東京物語」に比べると、実に面白くなかった。おまけに感動もしなかった。しかし、その後の「音楽寅さん(ミュージックタイガー)」は良かった。
さて、今回の27時間テレビに「炎のランナー」というコーナーがあった。コーナーというよりは番組と並行して行われているイベントで、定期的にその模様が番組で紹介されるものだ。視聴者から参加を募り、ある目的を達成するために27時間ひたすら走り続ける。いわゆる一種の願掛けのようなものだ。「半端だった自分を立ち直らせてくれて高校のときの恩師に会いたい」、「タイムカプセルの中身をまだ取りに来ていない人は取りに来て欲しい」、「かつて世話になった職場の同僚に会いたい」、などなど。番組を見ていてこの呼びかけに該当する人は来て欲しい、というわけだ。
何も走ることはないだろう。テレビじゃなく、単なる願掛けなら、こんな事までする人はまずいない。だって、目的の達成と走ることは何の関係もない。むしろ願掛けは目立たずにするもんだ。テレビだからこそ、出て走っているに違いない。それを感動と言われてもねえ。走ることと再会は関係ないし。タイムカプセルの話なんか、走っているのは今の教頭先生で、当時の子供達にとっては何の関係もない人が走っていることになる。
こんな長時間、走らせるのはもうSMの世界だ。苦痛を与える側のフジテレビはS。苦痛に耐えながら走りつづける参加者はM。それも単なるMではなく、テレビに映るから走っている、見られたがりのM。そんな放送を見て、一緒に感動している視聴者は果たしてどっちなのだろうか?。こんな話を書いておきながら、私は最初の方で、この中継を一回見ただけで、「音楽寅さん」より後、この27時間テレビは見ていない。
(秀)