あれはいったいいつ頃からだろうか?。おそらく「ニュースステーション」をはじめとしたニュースショー番組の登場からだと思う。「あれ」とは、ニュースに対する一般人への街頭でのインタビューである。「自衛隊のイラク派兵についてどう思いますか?」とか聞いているあれだ。
NHKのニュースはできるだけ客観的に事実関係を中心に述べている。余計な解説などはしない。一方、民放のニュースショーにはコメンテーターまで登場してくる。このコメンテーターがその分野の専門家というわけでなかったりするから困ったもんだ。適当に当たり障りのないことを言うだけ。
それを見ているせいか、視聴者が偶然にも街頭でのインタビューを受けようものなら、コメンテーターのごとく、何か気の利いたことの一つでも喋ってみようとする。けど、それほど気の利いたことを喋っている人はいない。
それ以上に、視聴者のインタビューを流して、番組として結局何が言いたかったのか、曖昧なままそのニュースを終わらせようとしたり、逆に、キャスターやコメンテーターが口に出せないことを視聴者の口を利用して電波に乗せてしまう。いずれにせよ、無責任な話である。
「麻原被告の死刑判決をどう思うか?」なんて、一般人に街頭インタビューして何の意味があるんだろうか?。答は決まっている。と言うか、カメラを前に大胆な意見など言えるはずもないし、あまりにも突飛な意見は所詮放送できないだろう。
ニュースショーはニュースを分かりやすく伝えてはいるが、街頭インタビューや同じ画像を何度も流すなど、不必要に冗長なニューススタイルを作り上げた。功と罪。
(秀)