「微妙」。辞書を引くと「ものごとの状態が、こまかく複雑で、簡単には言い表せないようす」とある。最近この「微妙」の使われ方がおかしなことになっている。もうお気づきであろう。それらは微妙ではなく、「ビミョー」と表記するのが正しかろう。
何もこんな使い方をするのは世の若い世代だけではない。小学生ですら(確かに若いのには間違いないが)使っている。「どうだった?」と感想などを聞こうとすると「びみょう」と答える。オイオイ、それってどういう意味だ。「微妙に○○」、「微妙な○○」と使うべきながら、肝心の○○の部分がない。
かと言って、「微妙におもしろかった」とか、「微妙につまんなかった」というのも使用方法としてあまり正しくなさそうだ。「微妙におもしろい」なんて言い方をされたら、不可解な芸を疲労した芸人を評価しているようだ。
彼らが「ビミョー」と表現した際の真の意味は、「わかんな~い」と同義語である。しかし、「ビミョー」は「わかんな~い」に比べるとバカっぽくないし、自分の能力において分からないのではなく、相手のせいにしているから、なおさら自分を正当化しているように聞こえる効果もある。何かと好都合な言葉として普及するに至ったと思う。
(秀)