コラムのデパート 秀コラム

第1173話 ■スウィングガールズ

 こんな映画があると、「日本映画もまんざらではない」という気になる。日本人なら、もっと日本映画を見るべきだと思う。本当に良い映画だよ、これは。「スウィングガールズ」。今日もあわせて2回も見てしまった。

 山形を舞台に、高校生がジャズバンドを結成する話である。まず、山形という設定が良い。リアルに山形弁である。都会の学校では楽しみがありすぎて、彼女達の関心は他のことに分散されてしまうだろう。全ては主人公、友子の思いつきから起きている。しかもそれは夏休みの補習をサボりたいことが起点となっていた。

 映画で大切なことはテンポだと私は考える。その条件は十分満たされている。単に彼女達がジョギングしているだけのシーンでも、彼女達が自分たちのパートを口ずさみながら走っていることで、練習に前向きになってきたことが表現されていることが、2度目見て気がついた。また、原作本を読んで仕掛けられていたキャラクターの表現の細かな部分が分かってより楽しめた。

 「ウォーターボーイズ」の矢口監督と呼ばれていたが、これからは「スウィングガールズ」の矢口監督と呼ばれることだろう。きっと代表作になること間違いなし。ジャズバンド流行るぞ。しかも女子高生の。パンフも買った、サントラ盤も買った、原作本も買って読んだ。さあ、早くビデオが出ないかな。

 いろいろ書きたいことはあるが、ネタばれになるといけないので留めておこう。余談だが、矢口監督の映画の主人公は「鈴木」という苗字であることがお決まりのようだ。

(秀)

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