私たちがこの遊びで遊んでいたときにその遊びの名が何と言うのか知らなかった。呼び名はないものの、休み時間になるとドッチボールを持ってこの遊びに興じた。息子も同じ遊びを小学生のときにしていたらしく、彼らはそれを「将軍」と呼んでいた。また、泉麻人氏の本によると、「士農工商」と呼ばれていたらしい。
4メートル四方程度のコートを縦横に中心から四つに分割し、それぞれのエリアに一人ずつ入る。そのエリアには順位があり、私たちは単純に一、二、三、四と読んでいたが、先ほどの例では士、農、工、商ということだろうし、将軍は最上位のポジションのことだろう。調べてみたら、「将軍」の場合の階級は将軍、大名、武士、足軽の4つらしい。
遊び方は最下位の人間からドッチボールをまず自分の陣地でワンバウンドさせた後、手(主に両手)でいずれかの相手のコートに打ちいれる。攻撃された側はボールをワンバウンドまでの状態で同じように手で元のエリアに打ち返すか、さらに上位のエリアに打ちいれる。ボールを放つ際にひねりを加えたりした。ミスをすれば下位の人間と入れ替わり、最下位の者がミスした場合は順番待ちの補欠と入れ替わり、次のゲームは入れ替わりを行った下位の者から再開される。
教室の隣の土間に丁度区切りとなる線も引かれていたのでそれを1つのエリアとしてこーとにした。ときどきに特別ルールを設ける場合があり、「ボールをつかんで良い」、「最初から攻撃を仕掛けてはならず、最初のボールは元にそっと打ち返さないといけない」など。1回ずつの勝負が早いので10分休みでも十分楽しめた。
将軍にしても士農工商にしても身分を扱うネーミングではメジャーになれない。もっと当たり障りのないネーミングと統一ルールでのメジャー化を希望する。
(秀)