自民党と民主党のトップ会談で両党の連立が話し合われ、民主党はこれを拒絶したわけだが、これで小沢代表が辞意を表明した。金曜日の夜にスポットニュースで「福田首相提案の連立提案を民主党が拒絶」というのを見たときには、それほど驚かなかったが、その後に流れてきた小沢代表辞意のニュースには驚いた。別に私は民主党支持者ではないが。
詳しく調べてみると、事の顛末はこうだった。そもそも連立構想の検討を持ちかけたのは福田総理の側だった。それに対し、小沢代表はこれを持ち帰り、役員会に諮った。そしてこの役員会でこの提案の拒絶を決定した。このとき、小沢代表は連立構想参加に気持ちが動いていて、役員会にこの話を持ちかけたが、役員会の反応はノーだった。これを役員会からの不信任に等しい、と自ら説明している。また、一旦話をあずかった福田首相への対面もある、と。
面白いことに、今回の福田首相の連立提案に対し、自民党の内部は肯定的であり、一方、民主党も連立提案の拒絶に対し、民主党内部は肯定的である。結局、小沢代表だけがこれらの蚊帳の外になってしまったわけである。小沢代表は次の総選挙での政権奪取に自信がなく、むしろ連立としてでも政権に加わった方が、公約を実現できると判断したらしい。テロ特別措置法や新テロ特別措置法にも反対しながら、ここに来て、反対どころか仲間に加わろうというのは、国民の目にも納得しづらい。
民主党が前回の参議院選挙で勝った理由は何だったか。それは徹底した与党との対決姿勢にあったはず。やはり選挙での審判を受けるべきだ。それでいて、いずれかの党が分裂して枠組みが変わるのなら、それは政治の摂理であろう。与党が圧倒的多数に達してしまうととても怖いことになる。小沢代表の辞表はまだ受理されていない(本稿執筆時点)。小沢代表の辞任は民主党としては大きな痛手であるが、このままでは次の選挙を戦えない。ここでこんなつまずきをするとは。
(秀)