たった今、映画を見終わった。まず予言。日本アカデミー賞連続受賞おめでとう。これ、ほぼ間違いない。正編と比べても、この続編の方が面白いし、ストーリー的にも良く練られている。約2時間半近くにまでのぼる大作だ。それでいて、時間が長いから、だいぶ削ったのだろうが、これ以上削れないところまで削って、この上映時間である。よって、余分なシーンなど待ったくない。内容充実。
喜怒哀楽、悲喜こもごも、老若男女。どういう言葉を使ってこの作品を表現しようかと思ったが、ざっとこんな言葉が浮かんだ。あいにくこれ以上上等なボキャブラリィを持ち合わせていない。今回の作品は前作と比較して、切なさ満載、お涙ちょうだい。現実の厳しさを実感しながらも、ちゃんとフォローはされている。茶川が芥川賞狙いで書いた純文学の作品は周りの人々に支えられて、彼らに幸せをもたらす。特に後半はいろいろと切ない。
今回、戦争にまつわるエピソードが2つ出てくる。昭和30年代は高度経済成長への序章であるが、逆に考えれば10数年前は戦時中や終戦直後ということになる。鈴木オートの社長が戦友と戦友会で再会し、鈴木オートの奥さんは思い出の日本橋で偶然思い出の男性と再会する。「あの戦争さえなければ...」。お互いの人生は違っていたに違いない。そんな話もたくさんあったであろう。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」はこの続編を以て完結である。今回の作品もヒットして興行的に大成功したとしてもこれ以上の続々編などは絶対に作ってもらいたくない。これ以上やられると、ゲップが出てしまう。記憶の中におぼろげに残るなつかしさ同様。ちょっと空しいくらいがちょうど良い。あまり書くと、ネタばれになるので、この辺で止めておこう。ぜひ、諸氏には映画館で見て欲しい。
(秀)