次世代DVDとして挙げられている、ブルーレイディスクとHD DVDの争いは、まだ混沌としたまま、依然低い普及率のままである。価格の問題か、それともニーズそのものが顕在化していないのか?。両陣営とも録画機能付のレコーダーは登場したが、年末商戦でのポジションは極めて低い。ソニーのレコーダーが今後、全てDVDではなくブルーレイのドライブとする点には驚いた。
そんな中、東芝が既存のDVD−Rのメディアに約2時間のハイビジョン画像を記録できるレコーダーを発表した。ディスクの容量を増やすのではなく、圧縮技術を向上させ、納める形だ。ディスクの値段も現在使用しているDVD−Rが使用できるから、非常に安価にハイビジョン画像がディスクに残せる。
しかし、この方式にも大きな障壁があった。互換性の問題だ。このレコーダーで作成したDVD−Rが再生できるのは現在このレコーダーのみ。これから出てくる東芝の上位機のレコーダーにこの仕様は引き継がれるだろうが、その範囲である。例えば、友達に貸してそれを見てもらうなんてことができる可能性は極めて低い。どちらかというと、上級ユーザをターゲットにした価格帯でもあるので、そう易々と同じ機械や同一仕様機を持ち合わせているとは到底思えない。別に東芝が単独で持ち合わせる仕様ではないと言っているが、これに続くメーカーが現れない限り、孤立する可能性すらある。
市場での普及率から見れば、PS3の効果により、プレーヤーとしてはブルーレイディスクの方が勝っているらしい。しかし、それはレコーダー全体の率からいくと極めて低く、まだ優劣を云々できるような状態にはない。順番としては地上デジタル波対応の薄型テレビを買った人が、そのハイビジョン画像をどういう手法で残すかを検討する段階でようやく購入検討が始まることだろう。
何やら、200GB規模のさらなる次のディスクの仕様まで登場してきてしまった。このまま、次世代DVDが本格普及しないままでいると、一足飛びに次々世代の機械が登場してきてしまうかもしれない。消費者が本当に求めているのは、長期間保存ができて、長い時間にわたって、ちゃんとそれらが再生できること。それでいて、できるだけ安価なこと。私もまだ様子見状態。
(秀)