山形新幹線が新庄まで延伸されたということをニュースが伝えて、予想通りに利用客にインタービューをしていた。聞こえて来る声はやっぱり、「便利になって良かった」というものばかりである。利用者がそう言うのは当たり前のことで、文句がある人が開業初日の新幹線に乗って笑顔でインタビューに答えるはずはない。利用しておいて文句が出るのは東京湾横断道路ぐらいであろう。「(料金が)高い。もっと安くして欲しい」と。しかし、本当に文句がある人は利用すらしないだろう。最初からメディアが期待した答というのがあり、それを映像にするための素材集めとしてマイクを向けているに過ぎない。政府や不祥事には批判的なもの、天災や事件などには不安を表現したものと決まっている。
新幹線の話に戻るが、利用している人は満足でも、その便利さと引き替えに生じた負担を受ける方にはたまったもんではない。その負担とは数百円切符が高くなることではない。建設費(の一部)を最終的に税金で穴埋めしようというやつである。その金額たるや、一部の人が高々20分時間が短縮され、乗り換えが少なくなったことの代償としてはあまりにもアンバランスに思えてしょうがない。
最近映画のテレビCMでその映画(試写会?!)の観客の感想を流すものが増えた。「感動しました」、「また見たいです」、中には「サイコー!」なんてものもある。もちろん、「つまらなかった」という声がもしあっても、それは即刻ボツになる。また、インタビューを受ける側もそれが分かっているために出たがりの彼らは当然、迎合した答を返す。そろそろあのインタビュースタイルのCMの感想は嘘であることに世間も気付くべきだ。