今日は朝から会議が続く一日だった。その間にもポケットの携帯には次々にメールの着信を知らせる振動が繰り返しやってくる。そのほとんどはゴミメールだが、何か大事な知らせが含まれていやしないかと、気になったりもする。そっとポケットから携帯を取り出して確認したら、そのうちの1つが高校のときの同級生だった友人からだった。
「NHKニュース」と題されたメールの内容を要約すると、皆既日食の観測(見物)に上海を訪れた人をインタビューしていたら、地学担当で高校3年のときの担任の先生がそれに出ていたというものだった。多分まだどこかの高校で教師をやっているだろうから、タイミングよく夏休みで、出掛けたのだろう。地学の教師として、世紀の天文ショーはそれほどの騒ぎなのだろう。学者としてのプロ根性を垣間見た感じだ。私もそのニュースを見てみたかった。
日本国内の陸地で見られる皆既日食としては46年ぶりということで、にわかの天文マニアもマスコミも大騒ぎだった。私もその時間に外を見てみたが、太陽は厚い雲に阻まれて、実際に暗くなったのかどうかさえ体感できなかった。一方、先ほどのメールによると九州でその友人は三日月のような形になった太陽を見たらしい。
いろいろと事前に騒いでいたが、悪石島は暴風雨で観測どころではなかったようだ。上海でも雨が降っていた。それでも、皆既日食の範囲に入っていたところは太陽の姿を見ることはできなくても、その瞬間は夜のように暗くなっていた。当然と言えば当然だが、その5、6分の間に神秘的なものを感じる。
日本国内で同様に皆既日食が観測されるのは26年後らしい。そのときは北関東あたりで見られるそうだ。今回私は日食の様子をテレビで眺めたが、26年後はどんな形で体感できるようになっているのやら。
(秀)