夜の10時過ぎに私の携帯電話が鳴った。メールにしては鳴動の回数が長いので、電話機を手にすると、発信元は郷里にいる姉だった。田舎に年寄りを残しているので、夜遅くの電話に、まさか、の嫌な予感を感じながらも電話に出ると、相手は姉婿の義兄だった。
「ガイアの夜明け」を見ていて、iPadが買いたいということだった。私もテレビを横目に点けて、この番組を見ていた。この日の番組のテーマは電子書籍だった。地元では売ってないから、そっちでは買えるか?、ということである。こちらでも注文してから実際に手に入れるまでは2週間ぐらいが掛かることと、ネットで予約購入できること教えた。
番組の最初の方を見ていなかったので、録画したものを後日見たら、冒頭に定年を過ぎた男性が読書用の端末としてiPadが欲しくなり、発売当日の朝に銀座のアップルストアに並んで、iPadを手に入れてご満悦、というシーンがあった。電話が掛かってきたのはこのシーンのほぼ直後だったと思われる。東京なら、今からでも並べば買えるとでも、義兄は思ったのかしれない。
義兄は特に新しいもの好きというわけでも、パソコンやデジタルデバイスに興味がある感じでもない。年齢的にも60歳を手前にした頃だ。しかし、iPadは番組での男性の例もあるように、これまでのコアなパソコンにユーザやiPhoneのユーザとは別に子供や高齢者にも新たなマーケットの開拓の期待ができるデバイスと言える。単に大きなiPhoneは使い方という面でiPhoneとは異なる利用価値をユーザが見つけるかもしれない。
実は発売日から数日経ってからであるが、私もこっそりiPadをネットで予約した。それが来週の半ばに届く予定だ。iPadでの電子書籍というものを実際に体験してみて、それを理解した上で、かつて紙の本として自費出版したコラム本とその続編を電子書籍として出版したいと考えている。
(秀)