学校で習ったとおり、国会には「衆議院の優越」というものが存在する。さあ、思い出してみよう。首班指名、予算案の先議、内閣不信任案の議決(信任案の議決、というのもある)、条約の承認、参議院で法律案が否決されても衆議院で3分の2以上の賛成で再度可決した場合は、衆議院の議決が国会の議決となる、など。これらは必ずといっていいほどテストに出た。ついでにこの優越が存在する理由も問われる。「衆議院は任期も4年と短い上、解散もあり、世論を反映しやすいから」と書けば、マルである。法律的には各議員個人の身分はいずれも公平に遇されているはずであるが、同じ国会議員でも参議院議員よりも衆議院議員が偉いかのような気がして来る。そして一旦権力に与するようになると、権力欲からか、「鞍替え」なんて欲望も湧いてくるようだ。
さて、ここで森田健作氏である。何やら彼は衆議院解散前後から気炎を吐いている。彼は自民党所属の選挙区選出の前職(解散したから)議員であるが、今度の選挙区からの立候補に対して党が公認を与えないというので、これに抗議している。世は3党の連立政権のため、自民党は公明党の前職議員に義理立てしている。ちなみに前回の選挙でのこの選挙区での勝者は今は亡き新井将敬氏であった。森田健作氏の議員としての職歴はざっとこうである。’92年、参議院選挙東京選挙区で初当選。’98年、新井氏死去に伴う、衆議院東京4区補欠選挙に参議院から鞍替えし、当選。この間、文部政務次官も務めている。
森田健作の怒りが分からなくもないが、自民党は彼に比例区への転出を奨めている。それを彼が嫌がっているところを見ると、名簿掲載順位が当選ライン以下ということだろうか?。特に今回は自民党にとっては逆風の中での選挙である。彼は選挙区からの出馬にこだわっているが、地元にどれほどの後援会組織があるのだろうか?。彼の戦略は浮動票頼みのような気がするが。結局のところ、彼は無所属で立候補するようだ。とばっちりを受けるのは公明党の候補者である。もし彼が当選しようなら、自民党から追加公認を受け、復党することは間違いないだろう。さて衆院選も公示日を迎えた。彼の戦いぶりはいかがな結果となるだろうか?。ねえ、吉川く~ん。