私がかつて「いつかは本を出したい」と思っていたのと同様に、バンドをやっている人は「いつかは(自費ででも、記念に)CDを出したい」と思っている事だろう。私よりも前の世代になるとこれがレコードだったりするはずだ。ショップで三、〇〇〇円前後で並んでいるCDもディスクやケースや印刷物のコストだけ見てみれば、ほんの数百円(いや、もっと安いかもしれない)ぽっちに過ぎないが、それはそれ、大量に作るからできる事である。それでもレコードに比べるとCDの方が少量で作ってもらえるだろうし、マスターディスクの制作費も安くなっているはず。それに比べると本の方はなかなか少量出版が困難なメディアである。
さて、私もここらでCDを作ってみようかという気になった。別にバンド活動をしているわけではないが、カラオケで歌って自分のCDを作ろうというのである。こう思うようになったのは、上野に「日本一のカラオケ」という大きなカラオケ屋があって、そこでカラオケマシーンの横にMDデッキが置いてあるのを発見したからである。これを使えば自分で歌った曲がとりあえずMDの状態にはできる。それをパソコンに取り込んでCD-Rで音楽CDを作ってしまおうというわけだ。
ここでMDから音をどうやってパソコンのファイルにするかが問題となる。パソコン内でWAVファイルになれば音楽CDに加工できる。最も簡単な方法はサウンドカードのラインインのポートから取り込む事であろう。しかしこれではせっかくのCDの音質が期待できない。せっかくのデジタル媒体であるためなんとか音をデジタルデータとして取り込みたい。「そうだ、秋葉原に行ってみよう」。
やはり秋葉原は面白い。何と二、九八〇円で光ファイバーケーブルのインターフェースを持ったサウンドカードを発見し 早速買い求めた。うれしい事に光ファイバーケーブルも付いている。本来はパソコンに貯えたMP3などの音楽ファイルをデジタルデータのまま光ファイバーケーブルを経由してMDに録音するためのものであるが、逆にMDからデジタルデータのまま音をパソコンに取り込んでWAVファイルにできる。あとは好きなだけCD-Rでディスクを作れば良い。ラベルもジャケットもパソコンでできるし。さて、いつ実行しようかな?。
(秀)