森政権崩壊のカウントダウンが現実のものとして、急速に始まった。どこにどんな障害が潜んでいるか、誰にも予測できない。そもそも残り短命と思われていた森政権が漁業実習船と米国原子力潜水艦の衝突事故を巡る批判でつまずくとは誰しも予想できなかったはず。しかし、いざことが起こった時に「総理は(どこ)?」と行き着いたところがゴルフ場だったというのはいかにも彼らしい。このときの判断が緊張感に欠けたものであったことにそのとき気が付かなかったばかりか、数日経っても「事故だ」と呑気な状態が良くなかった。
「このままでは参議院選挙が戦えない」というのが与党の間から出ており、出来るだけ早期に首相の交代を望んでいたのが彼らの本音であろう。かと言って、下手なすげ替えを行うことはかえってマイナスであり、前回の内閣不信任決議でも何とか守り通した。そして支持率は低かろうとも、新年度の予算案を通して、党大会での総裁交代というのがもっともダメージを受けずに選挙を迎えるシナリオであったはず。
さあ、ここからが私が描くシナリオである。野党は直ちに内閣不信任案を提出すべきである。放っておいても現政権は間もなく崩壊することだろう。しかし、国会が参院選のためのパフォーマンス合戦の場であるとすれば、自滅を待つよりも不信任決議案の提出で彼に引導を渡す方が国民に働き振りをアピールできる。おそらく、今回そうなれば採決前に首相は退陣することになるだろう。公明党は反対(森政権信任)に回れないだろうし、自民党もこの時期に森総理を支えると参院選での影響も大きい。一種の踏み絵となるだろう。数の論理だけでない心理戦というのも見てみたい。ついでに加藤紘一君もこの時期騒げばなおさら面白い。
(秀)