外で遊ぶ遊びとなると、それなりの人数が必要となるものが多い。鬼ごっこもかくれんぼも2、3人で遊べるものではなく、10人までとは言わなくても、やはり5人以上いないと面白くなく。逆にこの人数でテレビゲームで遊ぶのは難しい。今の子ども達が外で遊ばなくなったのは、少子化により、その頭数が集まらないからだというのも一理ありそうな気がする。元来、子ども達は外で遊ぶことが好きなはずだ。
かつての子どもの遊びには全国共通のルールがあるものの、地方地方に様々なローカルルールというものが存在した。このローカルルールの存在理由は、情報の流通が遮られて断片的に伝わり、それを個々がオリジナリティーで補った結果であろう。掛け声や歌の部分でこのズレというのが多く存在しているようだ。例えば、「ダルマさんが転んだ」はその顕著な例であろう。
詳しく調べたわけではないが、全国的なスタンダードな呼び名として、「ダルマさんが転んだ」が存在している。これは指を折って数えれば分かるが、10音節の言葉で、幼児が数字やその配列を覚える前に、数を数える言葉として代用されていた。これが関西圏に行くと「坊さんが屁をこいた」になる。言葉の意味としては何の共通点もない。ただ、大阪らしくて面白いのは確かであるが、これも10音節の言葉である。
一方、私が生まれ育った九州のとある地域では、これがまた別の掛け声となる。その掛け声を本当はここで書こうと思ったが、人種差別そのままの言葉であるので控えることにした。ご容赦願いたい。何とダルマさんや坊さんがここでは露骨な人種差別用語へと変化してしまっていたわけだ。ただ、私達は何の悪意もなく、その言葉を使用していた。もちろん、どうしてその掛け声なのかも分からない。今でもその掛け声のまま、我が故郷の子供達がこの遊びを続けているかどうかは残念ながら確認できていない。
さらに、単に言葉が変わるだけでなく、これに抑揚と言うかメロディが付いていた。私の地方の言葉も表記上は10音節であるので、同じ音節数の「ダルマさんが転んだ」を代用し例を示すと、「ダルマーさんがーこーろんだ」となる。このとき、リズムパターンとしては、文字で表せば10音節であったものが、そのメロディに乗せて音にすると、不思議と7音節(7拍)になっている(「ダル・マー・さん・がー・こー・ろん・だ」)。
ローカルルールは、単に言葉を変えるだけではなく、リズムパターンやメロディをも変えていたという例である。あなたの遊んだパターンも教えて欲しい。
(秀)