もちろん、山口百恵の曲のタイトルである。センセーショナルなこの曲の冒頭部分をちびまるこちゃんが口ずさんでいて、母親に怒られるシーンをテレビで見たことがある。確かにあの年頃の子供には過激な歌詞だ。ちびまるこちゃんは小学3年生の設定であり、原作者のさくらももこさんが私よりも1つ年上だから、私はこの時小学2年生だったことになる。山口百恵が私より8才年上なので、彼女はこのとき高校1年生(15才)。彼女は中学3年生でデビューしたため、その翌年の曲になる。昭和49年のことだ。
「あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ」。まさに彼女のその後の歌手としてのキャラクターを決定付けた曲だと言えよう。デビュー曲の「としごろ」ではアイドルらしい「明」の部分があった。山口百恵だから良い。桜田淳子ではいけない。雰囲気に合わない。森昌子では「大切なもの」のありがたみが薄れてしまう。その後も多くのアイドル歌手が世に出たが、山口百恵以外にこの曲に合った歌手はいないと断言出来る。そう言えば彼女には、「あなたが望むなら、私何をされても良いの。いけない娘だと噂されても良い」という歌詞の「青い果実」という曲もあった。
当時私にはこの曲の意味が理解出来ていなかった。「女の子の一番大切なもの」が何であるか、小学2年のガキに分かるはずもない。その夏の私の「男の子の一番大切なもの」がカブトムシだったのだから無理もない。
(秀)