コラムのデパート 秀コラム

第847話 ■夫婦別姓

 特に今旬の話題というわけではないが、身近でちょっとした問題提起を受けたので書くことにした。女性が婚姻を理由に男性の姓にそれを変える(もちろんその逆もあるがそれは少数)のは従属的であり、男女平等の観点からはよろしくないという事だろう。それに女性の社会進出が進み、働く女性としては途中で苗字が変わるといろいろと面倒や不利益があるという話も聞く。なるほどとその理由は分かるが、働く女性の例は働かない女性のことを無視して、働く女性は働かない女性(主婦)よりも偉いんだという雰囲気が感じられてちょっと嫌だ。

 それとあと、離婚時の問題がある。会社である女性の苗字が急に変わっていたりする。もっと前の旧姓を知っていて、それに戻ったのなら事態はすぐ分かる(養子縁組によるレアケースももちろんあるが)。旧姓を知らないまでも「彼女は結婚していたはず」と分かっていれば、これまた事態は分かる。いずれにしてもその点に触れてはならない。結婚時に呼び名を改めるときに比べると数倍意識し、気を使う。まさか、ファーストネームに「ちゃん」や「さん」を付けては呼べないし。

 夫婦別姓にしておけば、このようなもしものときも安全(?)である。このような効果も夫婦別姓を支持する人は挙げているはず。しかしそこに大人の身勝手が感じられる。長女が夕べ「○○ちゃん、苗字が変わったんだよ」と言った。おそらく両親が離婚したのだろう。そして、母親の苗字を名乗るようになったのだと思う。もし夫婦別姓が認められ、その夫婦に子供ができたらその子の姓はどうするのだろうか?。韓国式でいけば、父の姓を名乗ることになるだろう。離婚して母親に引き取られるとしたら、今度は母の姓を名乗ることになるだろう。母親は苗字が変わらなくても、子供は苗字が変わってしまう。生まれたときに、もしもの際にどっちが引き取るかを決めて苗字を決めるとなると、兄弟姉妹で苗字が違うことも起こり得る。

 個人的には夫婦別姓に対してどちらでも良い。働く女性が単に不利益を受けているという程度の理由なら仕事の時だけ旧姓を使用できるような環境を作れば済むことだろう。離婚の際に不都合が減ると言うのなら、その影響を受けることの多い、子供のことも考えてあげて欲しい。

(秀)

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