コラムのデパート 秀コラム

第890話 ■リフォーム番組

 その露出度から判断するに、テレビでのリフォーム番組というのが、静かなブームを呼んでいるようだ。特に主婦に受けている。主婦向けの午後の番組では収納+簡易的なリフォームのコーナーというのがある。達人だか、鉄人だか、はたまた名人だか匠だか知らないが、そんな技術員(?)が視聴者の家を訪れて、問題を解決してしまうというストーリーである。

 収納編については収納容量の問題もさることながら、奥さんあるいは家族全員の片付け下手な部分にも原因があるような気がする。目新しく、部屋を模様替えして、多少なりとも収納容量が増加はしただろうが、根本的に収納術の向上がない状態では、またいずれは散らかってしまって、元の木阿弥のような気がする。肝心なのはまず捨てることだと思う。中にはきっぱりと捨てることを薦める技術員もいて、これは出てきたガラクタの馬鹿馬鹿しさと合わせて、見ていておかしい。

 一方、大掛かりな家のリフォームの方であるが、「何もそこまで」といった感じの特異な家ばかり登場する。これでは視聴者がそれを見ていて参考にしようという要素がほとんどない。狭い長屋をリフォームするなんてのがあるが、長屋に住んでいる視聴者がどれほどいるだろうか?。しかもリフォームするからには持ち家で、リフォームの費用も持ち合わせていなければならない。

 番組としてはできるだけ問題の大きな家をリフォームした方がインパクトが大きくて良いだろう。しかしそういう物件になると古くて狭い。しかも間取りが妙なものである場合が多い。きっとその家やその土地に愛着を持っている人たちが応募してくるのだろう。ところが、例えばリフォームに500万円掛かるとしよう。私なら迷わず、その家を売り払い、リフォームのために用意した金とあわせて、別の家か、はたまた借家でも探すことだろう。番組では一様に依頼者は出来上がりのそれに満足している。どんな奇抜な内容でもそうだ。本心だろうか?。

(秀)

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