<前話からのつづき>
この村山総理がどういう理由で辞職したのか、あいにく覚えていない。そこでちょっと調べてみた。「『人心一新』を理由に退陣表明」。’96年の年頭に内閣総辞職をしている。予算審議のための通常国会開催の直前だった。住専への公的資金の導入で騒がれていたときでもある。社会党はその直後党名を社会民主党へと変更している。
その後の橋本内閣はそのまま、自・社・さ、の連立政権であったが、総選挙を経た後の橋本改造内閣は自民党の単独内閣に戻った。このときの総選挙で社民党は70議席から15議席へと大きく議席を減らした。日本新党と新生党は新進党へとなって、156議席。しかし翌年解党。連立になったり、その枠組みが変わったりしたものの、その後の政権党はやはり自民党に戻ってしまっている。
振り返ってみれば、この10年の間に8人もの総理が現れている。政党を見れば、新党ブームとか政界再編などと騒がれ、この間、民社党、社民連が姿を消し、日本新党、新党さきがけ、新政党、太陽党が誕生しては姿を消した。民主党と自由党はこの間に誕生し、現存している。
この10年間を裏切られた政治史として、ざっと見てきた。これらの裏切りが国民の政治不信や政治への無関心に与えた影響は甚大だと思う。しかし、裏切ったもの達、またその政党は政治の表舞台から姿を消した。かつて、3桁の議席を持ち、野党第一党であった社会党(社民党)も今は弱小党に転落してしまった。「小選挙区比例代表並立制」という仕組みの被害だけではないはずだ。
さて、鳩山党首辞任で揺れる民主党である。また新たな政党が誕生するのか?。国民の期待をよそに数合わせに終始していると、これまでの歴史と同じように政治の表舞台から姿を消す羽目になるだろう。
(秀)