iPadの登場は私にとって非常に衝撃的だった。20年以上にわたって拒絶を続けていたApple製品の中で、唯一何のためらいもなく購入した。電子書籍の時代の到来を感じ、それを歓迎する形でiPadを買った。本当に数日は楽しくて、肌身離さず持ち歩いた。電車の中で、立った状態から落とすといけないからと、首からのストラップ付きのケースに入れて持ち歩いた。メールをしたり、Twitterでつぶやいたり、そして蔵書を自炊してPDF化したものを持ち歩いた。
いざ電子書籍を読むとなると、先進的な気分はするが、ケースに入れて約1キロのモノを鞄から取り出す挙動は全くスマートではない。そのうち次第に面倒になってきて、iPadで本を読むのは止めて、次第にiPadを持って歩く新鮮さがなくなってしまい、家に置いて出掛けることが多くなった。今では次女がYouTubeでアニメソングやK-POPを見るのがメインで、私がWindowsパソコンを立ち上げるほどでもない検索やニュースを読むのに使っている。まあ、それでもスイッチを入れてすぐに使えるのは重宝していて、リビングに置いておく価値は十分にある。
そこでPDF書籍をさばく端末であるが、次に私が選んだのは、アマゾンのKindleだった。丁度、日本語表示に対応したということで、まだ日本語化された専用フォーマットの書籍はないものの、PDFのファイルが表示でき、そのファイル名が日本語で表示されるということで早速買ってみた。大きさ、軽さはまさに理想にピッタリだった。しかし、画面の解像度が低いため、スキャンしてPDF化したファイルを表示させると文字がディテールが欠けて、「目」が「日」と表示されたりして、細い線がかすれたりと、読むには非常に苦痛を伴うものとなっていた。ソニーが昨年末に電子書籍端末として「Reader」を国内でも販売したが、画面のサイズと解像度はKndle並のようなので、ほとんど同じ位だろう。
本当なら、iPadのもうちょっと小ぶりなものがものがあればそれが良さそうだが、Appleはあいにく、小さいiPadを出す予定を近々には持ち合わせていないようだ。そこでAndroid端末で理想的なものがないかと探してみた。中国産のものも含めると、選択肢は大きく広がる。ただ高解像度の画面を持ったコンパクトなものが見つからない。ようやく見付け出したのは、docomoが販売しているGALAXY Tabだった。月々の回線契約を考えると割高感は否めないが、SIMカードを抜いてしまって、WiFiのみでの使用もできるとあって、「えぃ!」と秋葉原で衝動買いしてしまった。
結果は大満足である。大量に文字を打つにはあまり効率が良くないが、大きさも7インチと丁度良い。Kindleに比べると重くなってしまったが、PDFファイルを読むには解像度も及第点である。ただ、別の意味での難点も出てきた。Kindleは本を読むための専用マシンであるため、ひたすら読むしかなかったが、Androidタブレットとなると、他にもいろいろな用途に使えるわけで、そういう訳で、いろいろと別の使い道での誘惑が多く、思ったよりも本が読み進まない。これはこの機械が悪いわけでなく、ある種贅沢な悩みと言える。ちなみに私にとって、4台目Androidである。
(秀)