今国会が今日から明日に掛けて山場を迎えている。ポイントはイラク支援法案である。「国際貢献」という言葉にこれまで我々が後ろめたさを感じてきたことは確かに事実であるが、人的支援として自衛隊をイラクにまで派遣することに私も大いに疑問を感じている。
人的支援や国際貢献というのは感情というか、道徳的な範疇の話に置かれている。この観点から是非を論じるとすれば、人的支援も国際貢献もやるべきであろう。ところが道徳以上に法律が優先されるし、さらに上位概念として憲法が存在する。日本国憲法第9条を思い浮かべてみよう。自衛隊がここでいう戦力かどうかはここでは問わない。自衛隊がその名のとおり国権の自衛のための軍事組織であるとしても、それはその主権範囲に留まるのが当然であろうし、これまでもそう自民党からも国会の場で説明されてきていたはず。
ところがその自衛組織が遥かイラクまで出向くという。武器の使用とか負傷や死傷の可能性を論じるよりもこの憲法との関わりをもっと論じるべきだろう。景気対策は放り出され、国会では今こんなことが騒ぎの中心になっている。いや、それ以上に解散・総選挙の方が彼らには気になることかもしれないね。困ったもんだ。
(秀)