今日のニュースで一番の驚きは「市販薬の副作用で10人が死亡」というものだ(ここ3年間の数字)。記事は詳しく、「大正製薬のリアップで3人」とまで報じている。この場合の死因はいずれも急性心不全で、同薬は99年の発売直後から動悸や胸痛などの副作用が500例以上報告されているし、99年末には外箱の説明書に狭心症、高血圧の人は注意するよう表示する措置がとられていたらしい。 死亡については発売元が厚生労働省に届け出ているが、因果関係は不明とはっきりしない。ただ、因果関係がはっきりしようとしまいと、「危ない毛生え薬」としての世間の認識は払拭できないだろう。
また、その記事の中にあった、「病院で処方される医療用医薬品による副作用死亡は年間約1200人いる」というくだりにも驚いた。さて問題はこの情報の出所である。国会での野党議員の質問主意書に、厚生労働省が答弁書を提出したものらしい。何か嫌な予感がする。医薬品をコンビニなどの薬剤師不在の店舗でも販売できるように規制緩和の論議が進む中、それに冷や水を浴びせるような話ではないか、と。
一方、リアップの愛用者の気持ちはいかばかりだろうか?。「そう言えばあの時、動悸がした」などと、胸に手を当てている人もいるのではなかろうか?。家族にからかわれていたりする人もいるだろう。大正製薬は不買運動で業績や株価にも影響が出るだろう。とんだ、とばっちりは中村雅俊であろう。蛇足だが、大正製薬の社員にもハゲはいるのだろうか?。
とかく世の中は冷たい。大雑把に言って、程度の差など関係なく、ハゲはハゲと判断される。発毛剤を使ってうまく毛が生えてきたところで、元のふさふさ状態にまで戻るはずはなく、うまくいって「(頭毛の)薄い人」、「ちょっと増えたかな?」どまり。これでは大雑把に言う、ハゲの集合からは抜けさせない。多少生えてきたところで、本人が喜んでいるほど、世間は見方を変えてくれるものではない。その挙句に命を落とすなど悲しすぎる。ダイエットによる拒食症に通じるものが。
(秀)