第880話 ■鳩山さんちの由紀夫くん

 旬を過ぎ、辞め時を逸してしまっているのに、ダラダラと続いている番組がある。ここまで続いちゃうと、辞めるのも責任問題となりかねないので、そーっと、今まで通りその看板を使って番組を続けるしかない。「紅白歌合戦」、「日本レコード大賞」(&これを模様した授賞歌謡大会)、「笑っていいとも」、それに「電波少年」。

 その「電波少年」であるが、この秋の番組改変で1時間枠に拡大され、タイトルも「電波少年に毛が生えた」に変わっている。ところが内容はこれまでとほとんど変わっていない。これまでも番組自体は編集したVTRを流すのがメインだったため、従来まではカットされていたであろう部分も放送すれば、制作側の負担はこれまでとあまり変わらないであろう。ところで、この番組、まだ面白い?。

 もうかつてのパワーはない。姉妹番組の「雷波少年」ぐらいの勢いしか感じられない。ネタがもうダメだと思う。それと、うまくいっちゃうとすぐにその第二段を作りたがる。「○○大陸横断(縦断)」、「懸賞生活」、「○○人を笑わせたい」、「十五少女漂流記」など。この番組のポリシーはアポなしで会いたい人に会いに行く、やりたいことをやる、だったはず。自分が面白がって、視聴者はそれを見せられている格好だ。乱暴な作りであるが、それが面白かった。ところがいつの間にか、やっている本人は苦痛。その苦痛ぶりを視聴者は喜ぶんじゃないか?、という作り方に転じてしまった。いつの間にかいじめ番組に成り下がってしまったわけだ。

 そこで現状の「~毛が生えた」であるが、これまた世間的に迷惑を掛けた。「電波少年的ママさんコーラス」というコーナーで、学園祭の講演会で民主党の鳩山代表を揶揄する歌を歌って、その大学と民主党から抗議を受け、そのロケ分は放送禁止となった。その替え歌のタイトルが「鳩山さんちの由紀夫くん」。「山口さんちのツトムくん」がオリジナルだろう。替え歌という私が小学生のとき遊んだような稚拙な風刺をテレビで流して喜んでいるところが既にダメだ。そして相手選びのセンスもない。と思っていたら、このコーナーはこの問題が原因か終了してしまったらしい。合掌。

※11月16日 加筆修正。

(秀)