今読んでいる本の話。糸井重里氏監修の「オトナ語の謎」という本が面白い。この本が最初出版されたときにその存在を知っていたが、最近文庫本として再出版されたため、ようやく買って読んでいる。オトナ語とは一般生活では使用しない、ビジネスで使用する言葉といった雰囲気のものである。
ビジネスでしか使用しないであろうそのオトナ語が使用方法とともに紹介されている。改めてこうしてまとめられると、意識はしないものの非常に卑近に接していることに驚いて笑える。客観的に外側から見ると特殊ということだろう。日本人しかいないのに「何で英語なんだろう?」という言葉から、当てはまる日本語ではピンと来ない英語や日本語にすると間抜けなもの、日本語と英語では意味が違うものなどがある。要は遠まわしに言ったり、お互いで曖昧にしていたりするのだ。それに何となく格好良い。
自分の身の周りを見渡してみる。若い人よりは年配者の方がこのような言葉を使っている。しかも部下と話をしているよりも、上の人と話をしているときに使うようだ。私の上司の顔が浮かぶ。「フォーキャスト」、「ミッション」、「インセンティブ」、「オーソライズ」、「コンセンサス」。「アナウンスする」というのが、単にメールを打つことだったりする。また、メールはメール。日本語にすると別のものになる。
今時分にこの本が文庫本として出版されるのは新社会人を意識してのこともあるだろう。フレッシュマンのみならず、就職活動を始める人も読んでおいたほうが良いと思うよ。
(秀)