大方の予想通り、郵政民営化関連法案が参議院で否決され、即日衆議院が解散と相成った。しばらくネタのなかったワイドショーはきっと大助かりのことだろう。小泉総理が盛んに自分がガリレオであって、郵政民営化は地動説、と唱えてもそれは言ったもん勝ちなだけで、裏づけなどない。郵政民営化は天動説、とやり返すだけの話だ。
さて、今回の選挙の争点は郵政民営化の是非ではない。国民はそんなことに大して関心はない。政権選択選挙だ。郵政民営化に争点を歪曲し、元自民党の候補と自民党が擁立した対立候補の勝敗で民意を問おうなんて考えていたら、民主党に良いところをさらわれてしまうぞ。「郵政民営化に賛成ですか?、反対ですか?」と小泉総理が聞いたところ、世論は「そんなことどうでも良いや!」と民主党に投票するわけだ。ただでさえ票が割れて自民党陣営は自滅するかも知れないのに。
小泉総理は選挙後も自民党と公明党で過半数を維持するつもりらしいが、情勢から判断するに造反組が復党でもしない限りそれは無理。選挙に負ければ、総裁は辞めざるを得ないし、たとえこの枠組で過半数を維持できたにしても、総裁の座に留まれるものではなかろう。小泉総理は郵政廃案の時点で賞味期限が切れてしまった。彼の総理としての政治生命は絶たれた。
(秀)