ぷらりと立ち寄った家電店でビデオカメラを見た。そこではソニーがハイビジョンビデオカメラの良さをアピールするためにカメラを2台並べ、ハイビジョンとノーマルを切り替えてモニタ画面に出力できるようにしてある。この展示キットは他の家電店でも見かけるものであるため、読者諸氏も見かけたことがあるかもしれない。百聞は一見に如かず。こうして比較展示されるとハイビジョンの良さが具体的に体感できる。
その横に現行機種の前のモデルのハイビジョンビデオカメラが展示処分ということで、現行品の4割引程度の価格で並んでいた。この機種が出た当時の価格と比べると6割引以上である。「そろそろうちのビデオカメラもな~」と思ったが、その日の目的はIHクッキングヒーターだったため、後ろ髪を引かれるものの、その売り場を後にした。
ある人の話によると、展示品処分には2タイプあって、冷蔵庫や洗濯機は買っても良いけど、テレビなんかはやめた方が良いとのこと。冷蔵庫や洗濯機は展示されていても、通電していないから中身は新品だけど、テレビは四六時中通電しているから、寿命が早く来る、という説。しかし偶然か、家電品はメーカー保証が切れた途端に壊れることがある。だったら、ある程度使ってあって、どうせ壊れるなら保証内にという気持ちが私にはある。ハイビジョンビデオカメラの場合、この例によれば買ってはいけない展示処分品に分類される。
という訳で、ハイビジョンビデオカメラはそのとき買わなかったし、今も買っていないが、それなりに気になるのでいろいろと調べてみた。皆さんはハイビジョンかどうかを問わず、ビデオカメラで撮影したものはどうしているだろうか?。子供の運動会は田舎の祖父母に見せるためにビデオテープにダビングしたりしてはいないだろうか。あるいはテープでの保管での劣化が心配なのでDVD化したりしていないだろうか。
ここでハイビジョンである。ハイビジョンビデオカメラはハイビジョン対応のテレビに接続して見た場合、それはそれは綺麗である。ところがそれをビデオテープやDVDにダビングするとなると、ハイビジョンではなくなり、ノーマルモードになる。中にはハイビジョンDVDとしてダビングできる機種もこれから出るのだが、そのDVDは一般のDVDプレーヤーでは再生できない。撮影したハイビジョンビデオカメラで再生し、ハイビジョン対応のテレビで見ないとハイビジョン映像ではないということだ。それでも多少は従来のビデオカメラよりも綺麗だろうけど。
私が家電店の店頭で見たハイビジョンビデオカメラの展示は一方で事実ではあるが、実際の使用用途の点から見れば現実離れしている。展示の内容だけで判断すると後悔するかもしれない一つの例。きっとこれらの問題が上手く片付いてくれる頃にはハイビジョンビデオカメラも相当安くなっていることだろう。
(秀)