コラムのデパート 秀コラム

第1291話 ■億万長者ゲーム

 私の独自の調査によると、タカラ(現タカラトミー)の億万長者ゲームのテレビゲーム版でない、アナログ版はボードゲームで3種類、カードゲームで1種類存在する。昭和40年代後半に登場し、当時、人生ゲームとあわせてボードゲームランキング(そんなもんが実際に存在したかどうかはさておき)の一角を占めていた。ちょっと危うい記憶であるが、人生ゲームの方が100円高かったような気がする。

 どちらかというと人生ゲームの方が人気で、そちらの方が売れていたことは、人生ゲームがその後も姿を変え、長く販売されていることからも推測される。それに引き換え、ボードゲームタイプの億万長者ゲームはモデルチェンジを行うものの、最初のパッケージを上回ることはできずに、気がついたときには販売を終えていた。あいにくそれがいつだったのかは確認できていない。

 ボードゲーム版3つのタイプとは、まず最初が世に知られているパッケージである。ビルを建て、産業スパイが暗躍するおなじみのものだ。それがやがて簡易版に変更され、パッケージは2色印刷、ボード自体も随分地味なものに成り変ってしまった。コストダウンは図れただろうが、世にあまり知られていないところから判断して、売上もダウンしてしまったに違いなかろう。

 そして最終版は「億万長者ゲームDX」となる。その名の通り、パッケージも豪華に戻った。そして、ゲームの中身は従来の内容から大きく変化した。従来の都市にビルを建てていくスタイルから、業種を指定して会社を所有し、世界市場に進出していくスタイルへと変わった。それは同社の「社長ゲーム」の焼き直しである。アイテムが少々違うが、構成は全く同じであった。このとき既に社長ゲームは販売を終了していたようだ。

 というわけで、私はこれら3つのボードタイプの億万長者ゲームを所有している。最初はかつて持っていた最初のパッケージをネットオークションで買おうと思ったことに始まり、この3つのパッケージの存在を知って、3つを購入するに至った。同様にカードタイプについても存在は確認できたが、うっかりミスで落札を逃してしまって以来、再度の出品を目にしていない。

(秀)

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