第671話 ■すごろく

 いろいろと楽しいゲーム類があるが、その源泉はほとんどがボードゲームで、その最もシンプルな姿がすごろくだろう。テレビゲームなんかも分岐を多くして、3Dにしたりしているが、スタートがあってゴールがあるところを見れば、やはり源泉は同じだと思える。

 そのすごろくも単にさいころを振って、移動した先の升目の指示に従うものから次第にアイテムを使用し、より高度で複雑な要素を絡めて順位を競うようになる。アイテムの代表例がお金で、人生ゲームやモノポリーがそれを具体化したゲームである。

 小学生のときに、すごろくゲームを作るのが流行った。自由帳の見開きが1つのゲームで、競うように何ページもいろいろなシチュエーションですごろくを作った。次第に知恵もついてきて、雑誌の切り抜きなどをコラージュ状に貼り付けるようにもなった。良くできたものは画用紙に書き起こし、保存したりもした。

 やがて億万長者ゲームや人生ゲームの面白さに触れて、このすごろくゲームづくりはやめてしまったが、自分でルールを作るといった面白さを知った遊びであった。総じて当時の遊びはこの想像力を使ったり、応用したりといった要素が不可欠であった。一方でテレビゲームで培われた判断力がどのくらい現実社会で有効なものか、ちょっと疑問がある。

(秀)