物欲は具体的なターゲットがあれば良いが、この世に存在していないものを欲してしまうと、精神衛生上良くない。それは価格的に存在しないもの、例えば、駅徒歩1分で100万円の一戸建て、のようなものではなく、まだ世の中に存在しないものを指している。
例えば、3代目プリウス。現行のプリウスは2代目で、3代目は来年に発売されると言われている。燃費がさらに格段に良くなるとのことだが、これを欲してしまうと、これから約1年間、他車の誘惑を跳ねのけながら、悶々としなくてはならなくなる。しかし、この場合はある程度の時間的ゴールが見えているのでまだ良い方かもしれない。いずれ時間が何とかしてくれる。
一方、望んだ機能なりのものが、一体いつ、どこから販売されるのか、分からない場合はつらい。私が欲しているものに「最強のモバイルパソコン」というのがある。持ち運びを考え、軽くなくてはいけないし、コンパクトな方が良い。特に厚さ。コンパクトだからと言って、キーボードの入力が普通にできないようでは困る。こんな私のわがままをすべて満たしてくれるようなパソコンが現れることはおそらくないだろう。
所詮ないものねだり。物欲は次第にここに至る。それを果たして笑って済ませるか、それとも悶々として、次の物欲がこの空しさを忘れさせてくれるのを待つか。奥が深い。
(秀)