コラムのデパート 秀コラム

第1543話 ■太陽と海の教室

 青春学園ドラマにはフォーマットがあって、型破りな教師に、それを理解する校長や理事長。一方、これに異を唱える反対勢力。優等生でも劣等生でも良いが、問題を起こす、あるいは問題に巻き込まれる生徒。これらは古く、太陽学園の頃から今日に至るまで変わっていない。できれば、海が近くにあると演出上、絵が作りやすい。ここまでくれば鉄板だ。

 フジテレビの月9ドラマ、「太陽と海の教室」はまさにこのフォーマットに準じた正統派(?)の青春学園ドラマである。織田裕二演じる櫻井朔太郎は、溺れた子どもをスーツ姿で助けるといった、型破りな登場の仕方をする。そしてこれまた「にらめっこ」といった風変わりの授業で生徒に驚きを与える。

 基本的に1話毎に1つのトラブルが起きて、それを解決していくスタイルの展開であるが、全体の伏線として、櫻井は学校が抱えている、ある事件に対抗する使命を帯びている。それが何なのかはまだ分からないし、それが学校や社会に対し、どれほどの影響を持つものなのかは分からないが、それ如何がドラマ全体の面白さの大きな鍵になっていることはおそらく間違いなかろう。現時点では戦場らしき場所での櫻井の写真が登場してきただけだ。

 櫻井がドラマで吐く台詞はイチイチくさい台詞だし、説得力がありそうで、なさそうな。けど私はこんなドラマが好きだ。江ノ島に江ノ電。この要素も私には十分なプラス要素だ。青春学園ドラマのフォーマットに則った作品ではあるが、できることならこれまでにないタイプの学園ドラマとしての展開を期待したい。全ては伏線次第か。

(秀)

モバイルバージョンを終了