初の裁判員裁判による判決が本日出された。主文「懲役15年」。検察が懲役16年を求刑したのに対しての15年である。私は「重いなあ」というのがこの判決を知っての感想だった。
裁判員裁判には、いくつかの問題点が指摘されてきた。「そもそも、素人に人を裁くことができるのか?」に始まり、「本当に公正に判断できるのか?」など、これまでもいくつか指摘されてきた。今回の裁判の場合、被告人が罪を認めていたため、その量刑を判断することに専念できたものの、罪状認否で争うことになった場合、有罪か否かを判断するのは、やはり難しいと思う。特に死刑か無期懲役かとなると、その判断は重い。
そして何より私が懸念するのは、「『検察優位』な判決が出されるのではないのか?」、という点だ。被害者やその家族の側に近い立場で事件を見てしまうのではないかと思う。そして、逮捕・起訴されたのだから、「被告人は悪い人」という先入観。
裁判員裁判が行われるのは、地方裁判所で行われる、刑事裁判の第一審のみだ。早速、今回の判決に対して、弁護側は控訴の意思を示しているらしい。裁判員裁判の判決が一方において否定されたわけだ。今後もこのような控訴が続けば、これまでの裁判に比べて控訴が起こされる比率が高くなったとしたら、裁判員裁判に対する評価が下がってしまうことだろう。
初回のみであれこれ判断するのはまだ拙速だと思うので、今回の控訴審も含めて、しばらくは裁判員裁判に注目していきたい。
(秀)