落語好きの一人としてちょっと書いておこう。五代目三遊亭圓楽師匠が昨日亡くなった。76歳。やはり笑点での印象が強い。私が子供のときから笑点の大喜利に出ていた。一時期、落語に専念し、その後、司会者として笑点に復帰するが、私は三波伸介の司会の方が好きだったので、その頃はあまりこの番組を見ていない。
私はこれまでに圓楽の落語を見たことも聞いたこともない。今日の訃報の報道を見る限りでは、人情噺を得意としていたようだ。彼が残した映像や音源に今後触れることは可能だろうが、そうするかどうかまだ私自身答えを出せていない。今日の訃報の中で「落語協会分裂騒動」にも触れていた。昭和53年に起きたこの騒動を抜きに彼の生涯を語ることはできないだろうし、この点をめぐって、私は彼を理解できていない。
「落語協会分裂騒動」については本コラムの第1646話に書いているので詳細はそちらを読んで欲しいが、落語協会の分裂はやはり落語界の停滞を招いたと思う。圓楽の弟弟子である三遊亭円丈がかつて書いた「御乱心」(既に絶版)という本が私の分裂騒動に関する情報の大半だが、その中で圓楽はかなりの悪役として描かれている。その本に書かれていることをそのまま鵜呑みにしてしまうわけではないが、心理的には引っかかるところが大きい。
来春に現楽太郎が六代目圓楽を継ぐことが決まっているが、これで二代揃っての襲名披露が叶わぬものとなってしまった。今後も圓楽一門は「圓楽一門」と名乗るのだろか?。できることなら、落語協会に一門で復帰してもらいたい。余談だが、圓楽さんの一連の法事の際の線香は「毎日香」なんだろうな、きっと。
(秀)