子ども達の遊びの中には危険を伴うため、学校からのお達しで「禁止」となるものがある。対象は火を使ったり、弾が飛び交うようなもの、あるいは交通上の危険にさらされるものなどが主であるが、中には今回話をするような一見健康的な遊びも禁止の対象にされたりした。馬乗りとは文字だけを見れば「乗馬」の様なハイソな感じがしないでもないが、実は「出家」と「家出」ぐらいの違いがあり、粗暴で危険な遊びということでめでたく禁止され、廃れていった。その後、どこかで復活したかもしれないが、このままでは永遠に人類の記憶から葬り去れるやもしれないので、ここで文字として記録を残しておきたいと思う。
【遊び方】
・人数:10人程度、同人数の2チームに別れる。
・必要なもの:壁
1.じゃんけんで先攻、後攻を決める。
2.守備側のうち1名が壁を背に少し足を開いて立つ。
3.守備側の次の者が前屈姿勢で上記の者の股間に頭をはさむ。
4.守備側の残りの者は順に前屈姿勢で前の者の背後から股間に頭をはさむ。
5.馬が完成した後、攻撃側は順に馬に飛び乗っていく。
6.攻撃側の最後の者が乗り終わった時点で、守備側の立っている者と
攻撃側の先頭の者がじゃんけんをする。
7.攻撃側が勝った場合は、再度攻撃のやり直し。
守備側が勝った場合は、攻守入れ替え。
8.この他にも、
途中で馬が壊れたとき(床に手を着いてもダメ)は、守備側の負け、
途中で攻撃側のいずれかが馬から落ちたとき(床に足を着いてもダメ)は、
攻撃側の負け、
となる。
この遊び自体を我々がどうやって知り得たのかは、もはや解明が難しいが、小学3年生の頃、休み時間の度にこの遊びを繰り返していた。これは男の子の遊びである。当時、男女対抗で遊んだような気もするが、男女が仲良く遊ぶような内容ではないし、女の子だけでこんな遊びをしていたとなると、いくら丙午の女性とはいえ、危険以前の問題で禁止になることだろう。
一見、守備側の立ってる奴は楽そうに思えるかもしれない。しかし、男の子の場合、股間にはナニが付いているので、馬に人が飛び乗る度にそこに衝撃が集中し、結構大変である。攻撃上、ちょっとのデブなら重宝がられるが、極端なデブは敬遠され仲間に入れて貰えなかった。
(秀)