参議院選挙の真っ只中であるにもかかわらず、小泉総理周辺は相変わらず騒がれているが、何とも盛り上がらない選挙戦である。その主役もダウンの後にサミットでジェノバに脱出し、連日の報道も選挙戦そっちのけで、サミットの話題に終始した。しかし、サミットの成果よりもジェノバのデモ隊のことの方が大きく報じられていた。確かに選挙ネタは公正・公平が強く求められるため、ワイドショーのネタにはなりにくい。
今回の選挙の争点は小泉総理の改革の是非であるかのように報道されているが、野党も小泉総理を直接攻撃してはかえってマイナス効果と、同じ改革を掲げ、「うちが本物」と、まったく相手の土俵に乗っかてしまい、見る側にはその違いが非常にわかりにくい。構造改革に伴う痛みの具合がどうとかいうような「だろう話」をしたところで、こんな戦いぶりで野党が勝てるはずがない。何しろ敵は前代未聞の高支持率である。
よって、ここで野党へ今回の正しい争点と戦い方を教えてやろう。それは、「現在日本には660兆円にものぼる借金がある。その借金を作ったのは自民党だ」というものだ。地方に行けば、ほとんど車の通ることなのない舗装された立派な道路があったり、器だけ立派な文化施設が作られている。あれは地方交付税交付金が化けた姿であり、景気対策の名の下、公共事業としてばらまかれたコンクリートの残骸でしかない。
地方交付税や道路特定財源等の見直しについてはいろいろな意見があるだろう。それは、これから検討を重ねながら、必要なものは変更していけば良い。しかし、改革の名の下に、660兆円もの借金をこさえたことの責任をうやむやにされては困る。
(秀)