「稲垣吾郎 逮捕」というスポーツ新聞の見出しを朝のテレビで見たとき、「大麻か?、覚醒剤か?」と思った人は少なくないだろう。数日前のいしだ壱成からのルートでの逮捕だと私も最初はそう思った。それが、駐車違反に公務執行妨害(後から傷害容疑もこれに加わった)だったと分かった途端、スポーツ新聞の狡さをちょっと怨んだ。
さて、一方のいしだ壱成容疑者(芸能人は呼び捨てであるが、犯罪者には容疑者という肩書きが付く)の方であるが、ちょっと話題の旬を過ぎてしまったが、彼が「大江戸ロケット」という芝居の大阪公演の最中に逮捕されたのが、マスコミには好都合だったようだ。「(東京公演は)中止か?、代役か?」と書き並べたが、誰も本気でこの公演の行く末を気にしているはずはない。ただ、今回の代役にはちょっと肩すかしを受けた感が否めない。
「山崎裕太?、誰それ?」。多くの人がそう思ったに違いない。私もかろうじて「あっぱれさんま大先生」に出ていたというヒントで何とか分かった。しかし、それは随分昔のことで、最近の彼の活躍、まさか俳優になっていたとは驚いた。「東京公演(までも)を中止にすると大きな金銭的損害が出てしまう」というのが主催者側の本音だろうが、それならそれなりにもっとビッグネームをブッキングするべきであろう。山崎裕太でさえ、芸能マスコミは興味本位で取り上げてくれたのだから、ここは一気に芸能マスコミを宣伝媒体として使用する良い機会だったはずなのに。
この原稿は事件の直後に書き始めたのだが、タイミングを逸して今頃のリリースと相成った。既にいしだ壱成のことに触れるマスコミはほとんどない。逮捕時に一緒にいたと言われる女性が誰か気になるが、このあたりの情報も出てこない。「いしだ壱成(容疑者)逮捕」→「『大江戸ロケット』の公演はどうなる?」→「代役にて公演決定」→「けど、代役のインパクトに欠けるなあ」→「取材終了!」。こうして冷却期間をおいて、この間のマスコミの対応を見てみるとおもしろい。所詮こんなものである。「代役公演不発」、「いしだ壱成被告初公判」。次に芸能マスコミが狙っているのはこの線だろう。いしだ本人としては拘置所の中にいる、今の自分の代役が欲しいのではなかろうか?。「花村大介」での弁護士ぶりは今やどこ。
(秀)