第94話 ■どんなときも。

 30日正午過ぎ、「槙原敬之容疑者 覚醒剤所持で逮捕」というニュースがWebに出た。記事を読むと26日に友人と共に自宅で覚醒剤の所持ということで現行犯逮捕されていたのが30日になって明らかになったということである。使用についても認めているらしい。自宅で現行犯逮捕というところが分かりにくいが、他のサイトでのニュースを見ると、家宅捜索の令状を持って警察が現れたということだった。どういうルートからは分からないが内偵が続けられていたわけである。それにしてもよくもまあ4日間も逮捕の情報が分からなかったもんだ。逮捕の翌日にラジオの収録が予定されていたが、事務所から「うかがえなくなりました」という連絡があったらしい。妙な言い訳に聞こえて、何故か笑える。

 ところで、(今回の逮捕とは別に)マッキーがミュージシャンではなく、一般人だったらどうだろう、と以前考えたことがある。一般のサラリーマンであのルックス。カラオケとなるとずば抜けて歌が上手いが、机を並べて仕事をする同僚だとしたら。会社内で人気者になれるだろうか。彼はプロミュージシャンだからチヤホヤされているような気がした。それがついにその座を滑り落ちてしまった。

 今回の逮捕で一番割りを食ったのは一緒に逮捕された友人である。一般人ならば新聞に載るにしてもベタ記事に過ぎなかったろうに、今回は実名がWebやタブロイド紙に出てしまった。第三者に彼の名前が記憶されることはないだろうが、彼の友人達には知れ渡るわけである。今頃ビクビクしている人がいるかもしれない。

 インターネットのあるページでは「彼の作風が最近変わった」というのがあったそうだ。「Hungry Spider」のことを言っているのであろう。確かにこれまで彼は詞に英語の歌詞を使うことを嫌っていた。「恥ずかしいから」と言っている。楽器としてアコーデオン(バンドネオンかな?)を使用するもの斬新だった。けどこれが薬物によるものかは判断できない。逆に「腹ぺこの蜘蛛」というタイトルで歌詞も日本語だったら、逆に相当危なかったような気がする。覚醒剤なだけに(大麻どころではない)果たして復帰ができるかどうかは分からないが、コンサートのキャンセルやらで当分金に困るだろうから、せめて印税が入るようにカラオケで歌ってあげることにしよう。

 さて、ニュースでは事件の内容とあわせて、彼のプロフィールが紹介されている。必ず「どんなときも。」でメジャーに、とある。マスコミ的にはそれで及第点であろう。しかし、それだけではなく、オヤジギャグが紙面に踊る。「『どんなときも。』やってはいけないのに」というのを見た。そのうち、「もう覚醒剤なんてしない」というのが出て、再発したら、「・・・なんて言わないよ絶対」って書かれるんだろうなぁ。