コラムのデパート 秀コラム

第623話 ■名前のない車

 聞き噛りの話だが、現在開催中の東京モーターショーにフェアレディの新型車が出品されているらしい。フェアレディは既に生産を終了し、ここ数年、絶版車となっていた。これまで絶版になった車と言えば枚挙に暇がなく、私でさえもざっと20種類は言える。フェアレディ、コスモ、スプリンター、バラード、プレリュード、チェリー、パブリカ、セリカ、パルサー、ミラージュ、ラングレー、レオーネ、ルーチェ、カペラ、シティ、ターセル、クレスタ、チェーサー、コルサ、スターレット。もちろん、まだ言えるけど、ただ字数を稼いでいるだけであるのがばれそうなのでやめる。けど、これらの名前を見て懐かしい人は読者諸氏にも少なくないだろう。

 ところが、一度絶版になった車のブランドが復刻するのはミゼットぐらいしか記憶にない。まだその蘇ったフェアレディの姿を拝んでいないし、スペックも見ていないので何とも言えないが、果たしてフェアレディの名を語るに相応しい車なのか気になる。先日のスカイラインの例があるから。今回出展されている車は市販に向けたファイナルバージョンに近いものらしく、来年に売り出されるそうだ。

 エンジンは新開発の3.5リットルとのこと。この情報をくれた友人に問い掛ける。「じゃあ、(スカイライン)GT-Rもこのエンジンかな?」。おそらくそうなるようだ。ついでに名前もスカイラインGT-Rではなく、ニッサンGT-Rとなるらしい。「名前がないの?、トヨタ2000GTみたいだね」。「そう。優香とかhitomiと一緒だよ」。分かりやすい例えなのかどうだか。「それ、逆じゃないか(車は苗字があるけど名前がない)?」。

(秀)

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