今から約30年ほど前、「週刊少年ジャンプ」に連載されていたマンガに「トイレット博士」というのがあった。ちなみに当時、これら少年漫画週刊誌の価格は100円だった。この、トイレット博士、文字通り低俗なお下劣マンガでしかない。しかし、このお下劣マンガが当時のジャンプでは部数拡大の牽引車の役割を果たすほどの人気マンガであった。最初は文字通り、このマンガの主人公はトイレット博士であったが、その主人公はスナミ先生率いるメタクソ団へと変わってしまった。
まずスナミ先生というのは学校の先生である。スナミ先生の前に主人公になった、一郎太という少年の担任として登場する。このスナミ先生のモデルはスナミさんという担当編集者だったということはこのマンガのファンでは有名な話。現在では白泉社の取締役なのらしい。
メタクソ団というのはスナミ先生をリーダーに一郎太、三日月、チン坊の4人のグループ(その後、ピッピちゃんが加入)で、「マタンキ」を合言葉に活動している。彼らの必殺技は「七年殺し」。お下劣すぎるので、ここでの詳細なる説明は敢えて割愛。お茶目な校長先生も登場し、彼もこのメタクソ団に入りたいのだが、うまく「マタンキ」と言えず、いつも「マタンピ」と言ってバカにされ、仲間に入れて貰えない。おまけに大好物の「ゆでたまご」も「うでたまご」としか言えない。
このメタクソ団のメンバーはメタクソバッジなる物を持っていて、「マタンキ」と合言葉を唱える時にはこれを右手に持ち、前につきだすことになっている。当時これを欲しがった少年たちは多かったに違いない。読者プレゼントの賞品にもなったりした。そのうち、読者からのリクエストにより、雑誌でその姿が公開され、「厚紙に貼り付けて使ってね」なんて書かれていた。これにとどまらず、自作のメタクソバッジを作った人も少なくなかったろう。
私も復刻ものながらメタクソバッジを持っている。3年ほど前にトイレット博士の愛蔵本出版にあわせてのメタクソ団復活記念に申し込んで入手した。近日我がサイトの「激写王」のコーナーで公開予定。「マタンキ」。
(秀)