コラムのデパート 秀コラム

第914話 ■年賀状作り

 本当のことを言うと、年賀状なんか面倒だからなくなってしまえば良いと思っているが、その年賀状の恩恵にあずかっている業種の仕事をしているため、そうも言ってはいられない。むしろ、年賀状がこれからもなくならないように、と願いを込め、この連鎖を維持するためにせっせと年賀状作りに精を出さねばならない。そしてようやく今年もその作業が終わった。

 今年はプリンタを買い換えたので、昨年よりも印刷時間は格段に良くなった。一方、印刷品位については、プリンタやインクの良し悪しももちろんだが、それ以上に肝心なのは紙の質であることに改めて気が付いた。さすがは「インクジェット用はがき」。まず、インクの乾きが早い。これまでのはがきでは出てきた印刷済みのはがきを1枚ずつ取り上げて、乾燥のためにしばらく周りに並べておかなくてはならなかったが、それがいらない。そして、インクの再現性が大きく違う。特にデジカメの写真などを印刷するとその差が格段に分かる。逆にインクジェット用紙でないと、せっかくのプリンタの良さが生きない。

 送り先を確認するために昨年使用したデータを引っ張り出し、今年新たに加えるべき人のデータを追加する。喪中の人を除く。そして、今年の年初に実際に届いたものと照合して修正を行う。残ったデータを分類すると私の場合は極端で、毎日の様に会っている人か、もう10年くらい会っていない人だ。後者の人々とは今度いつ会うあてもなく、「無事だよ」というメッセージを送りつづけているに過ぎない。けど、それも大事だとようやく思えるようになってきた。

 はがきの両面の印刷が終わって、毎年、宛名を見ながら何か一言直筆で書き加えたいと思いながらもここまで来ると、そもそも面倒くさがりで、「年賀状なんて」、と思っていた気持ちが勝ってしまう。とりあえず、今年最後の仕事をやり遂げた感じで、それが終わって何とか今日のコラムも書くことができた。これよりコンビニ前のポストに投函に行こう。

(秀)

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