これから先、日本の人口は減少へと転じる。いくら人の寿命が延びようとも、少子化の影響の方が大きいわけだ。これは日本の歴史上、初めてのことである。確かに資源や環境の点から考えれば、人口は減少した方が良いのかもしれないが、若い人が減り、老人が増えるといったこの変化は私が今さら言うまでもなく、いずれ深刻な社会問題として避けて通れなくなる。当座の対策は子供の数を増やすしかない。しかし、景気の回復や社会的な環境の変化で多少出生率が改善され様とも、その到達時間が変わるだけで、到達点はほぼ変わらないであろう。
人口が減るということは経済の成長が止まるということだ。生産活動も消費活動も減少する。そして、産業構造も消費者層の変化に応じて変化していかなくてはならない。一部は巨大な市場を狙って中国を目指していくことだろう。しかしそんな企業や商店ばかりではない。そこで、介護やシルバー市場といったものに限らず、元気な老人向けの市場というものが形成されることになる。とりあえずまずその第一波は団塊の世代が老人に足をかけるこの10年間ぐらいだろう。
この場合の市場というのは単に商品市場のことばかりを言っているわけではない。形ある財貨(商品)だけでなく、形のないサービスなどの分野にも及ぶ。趣味や文化などにも。電子媒体の普及でますます苦戦が予想される出版業界は老人をターゲットにしないと生き残れないだろう。旅行業界も同様。外食産業も値下げ競争に汲々とするばかりでなく、老人層をどう取り込むか、メニューやサービスの検討を行うときがきっと来る。何しろ、30年後には人口の約20%が老人という時期である。私もその一人だが。
そして次第に若者文化は衰退していく。老人層を支えるために年金や税金の負担が増し、購買力を失っている。しかも、購買層としてもマスの魅力を失った若年層はマスコミや産業界から見て、もはや魅力的ではない。よっていずれ、原宿が本当に「おばあちゃんの原宿」になるかもしれないし、センター街に老人があふれ、渋谷が老人の街になるやも知れない。
パチンコ屋は老人だらけ。風俗もそう(相手もババアかな?)。喫茶店も老人だらけ。街中老人だらけ。若年労働者は人手不足で働いているため、昼間からパチンコをしているような若者は富裕層かも。老人専用の出会い系サイト。老人専用のねるとんパーティ。ただ、今のものを焼き直しただけではつまんない。「ビジネスチャンスあり」、と見た。
(秀)