コラムのデパート 秀コラム

第1093話 ■トリビアの危機

 便乗商法というか、あやかり商法というか、テレビで「トリビアの泉」が当たったことで、露骨にその類似品が目に付く。媒体は本である。トリビアの泉の本がバカ売れしている一方で、各分野別に「トリビア」と名の付く本が本屋に並んでいる。コンピュータやパソコンの分野もそうだ。

 試しに本の通販サイトで「トリビア」と入力して検索してみた。該当したのは39件。本家は4冊のはず。ちょっと類似品のタイトルを拾ってみた。「王国」、「王様」、「面白」、「疑問」、「芸能人」、「温泉」、なんて言葉がトリビアの前後に付く。これまで「雑学」という言葉で括られていた言葉がトリビアへと置き換えられた感じ。雑学と書くよりもトリビアと書いているだけで、手に取ってもらい易いと思っているんだろう。

 同じような動きがかつて10年ほど前に「マーフィーの法則」という本で起きた。世の中で起きる様々な不運をそれは仕組まれた法則として取り上げた内容の本だった。ところがこの本がヒットすると「マーフィー」と名が付き、同様に不運を書き並べた類似本が本屋に並んだ。中身は後発の方にも多少おもしろいネタが載っていたりもするが、そもそもの企画のオリジナリティを上回るような勢いはない。所詮は類似品。

 薀蓄も雑学もなんでもトリビア。玉石混交で全体的に雰囲気を盛り上げるではなく、本家の足を引っ張り、総じて世の中から飽きられて衰退していく。「トリビア」もこの危機に直面し始めていると思う。実は今がピークか?。いや、ゴールデン進出の時点で既に下り坂、という厳しい見方もあるだろう。「品評会会長」という設定が曲者。

(秀)

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