私の記憶が確かならば、8年前の話になる。ということは最初のたまごっちからは9年ということか。たまごっちの品不足は深刻で、似たような偽物は出るし、秋葉原などでは5千円とか1万円とかの値段が付いてもいた。そんな間隙の中、たまごっち付きのPHSとして登場した、たまぴっち。
面白い発想ではあるが、冷静に考えてみれば、どうして電話機にたまごっちが付いている必要があるのか悩ましい。しかしながらそんなことは考えもせず、わが家人はこのたまぴっちを買った。ちょうどまだ、たまごっち品不足のタイミングであったため、家族そろって小さな液晶画面を覗き込む。「ほらほら、見て見て」。
最初は物珍しさも手伝い、熱心に世話を焼いていたようだが、間もなく一通り、たまごっちは育ってしまい、終わってしまう。もう一度最初から育てるようなものでもない。途端にそれは単なるPHSでしかない。しかもめったに鳴ることのないPHSである。やがてほとんど使用しないため、PHSは解約し、たまぴっちは子供のおもちゃとなった。しかし、それもほとんど間が持たずに飽きられてしまう。
発想は面白かったが、その後が続かない。たまごっちをやり終わった後の楽しみがない。しかしこのスピリットは今のiモードでのゲームに引き継がれているような気がする。ただコンテンツが取り替えられ、選べるかどうかの違い。この違いが重要なポイントかもね。
(秀)