第594話 ■ベイブレードの偽物

 人気玩具「ベイブレード」の品不足は相変わらず続いている。にも関わらず、テレビやコロコロコミックを媒体にして、タカラからは新製品が毎月のようにリリースされているようで、入手困難な状態は以前よりも増しているに違いない。そうしていたら、やはり偽物が出た。これまでも、ばねを使ったベーゴマもどきの、形が違う偽物が発売されているのは確認できていたが、今度は互換品どころか完全なコピー品である。

 これまでにも人気商品の偽物は数多く出ていた。例えば、ルービックキューブ、ヨーヨー、ミニ四駆、たまごっち、スライム、などなど。品不足の人気玩具の裏には必ずと言っていいほど、偽物の存在があった。そして今回もベイブレードの偽物である。箱は無いものの、パッケージの裏にはご丁寧にも中国語での説明書が付いている。字は分からなくても、イラストがあるし、作り方は本物と全く同じであるので、問題はない。ただ、種類はそれほど無いし、新製品のモデルはない。

 件の偽物ベイブレードは日暮里の駄菓子屋横町(駄菓子屋の問屋街、小売りもあり)で発見した。300円で販売されているそれは、ベイブレードの旧モデルのコピーそのものであった。ライナーの状態(プラモデルのパーツを切り離す前の状態)から、そのままコピーしているかもしれない(未確認だが、見た感じその確率は非常に高い)。組み立ててしまえば、子供にでも本物と区別が付かないと思われる。本物と部分的にパーツを交換してしまえば、それこそ分からないだろう。見比べると、「MADE IN JAPAN」の文字がなかったりする。さすがに「MADE IN CHINA」ではまずいだろう。

 シューター(これはオリジナルと形が異なる)付きで卸価格の300円で売られていたその商品の小売りでの価格は500円くらいか?。コピー品で流通経路も怪しいので、大手のおもちゃ屋やスーパーでの入手は困難だろう。狙うなら、駄菓子屋が最適。しかし、コピー商品を子供に易々と買い与えることが良いのかどうかは実に悩ましい。教育的な観点からは「ノー」であろうが、欲しがる子供が偽物であれ、相当なコピー品を目の前にしたときの姿を見て、親の心理としては、なかなかそうは言えなかった。息子は2個も買った。

(秀)