コラムのデパート 秀コラム

第1438話 ■クレーム

 私は特にクレーマーというわけではないが、正当な要求だけはきちんと言うことにしている。まあ、いろいろとエピソードはあるが、そんな中でも最近こんなことがあった。

 私が自宅で使用していたネットワーク接続型のハードディスクがある日突然おかしくなった。データの書き込みが異様に遅くなり、そのうちフリーズしてネットワークからアクセスできなくなった。ちょうど保証が切れる頃で、おまけに保証書もなかった。とりあえず、メーカーのサポートにメールで問い合わせると、状況を確認するので送って欲しいと言われた。去年の7月のことである。

 メーカーにそのハードディスクと詳しい状況のレポートを送ってしばらくしたら、「障害は確認できませんでしたが、念のためディスクドライブを新しいものに交換しました」と戻ってきた。保証書がなかったにも関わらず、無料で対応してくれた。これで障害が直れば、めでたしめでたしだが、症状はまったく変わらず、アクセスできない。

 前回の修理で直らなかった旨をメーカーに伝えると、「再度調査しますので、もう1度送って欲しい」と言われた。今度は送料着払いで送った。しばらくすると、「障害は確認できませんでしたが、基盤を交換しました」と戻ってきた。しかしこれもこれまでと同じ状況でアクセスできない。

 この時点ですでに2ヶ月以上経っていた。ネットワークドライブがないと不便なのでこのタイミングで別のメーカーの同等品を買った。これは何ら問題なく動いている。この間ネットワーク機器を変えたり、設定の変更などは行っていないし、他のネットワーク機器は全て問題なく動いている。やはり原因は例のハードディスクにありそうだ。

 再々度、直っていない旨をメーカーに伝えると、「調査するので送って欲しい」と言われた。保証書がなかった心苦しさはあるが、また送料着払いで送った。今度は慎重らしく、「ドライブからの異音が確認されました」という返事。商品を同じ別のものに交換してそれが送られてきた。この時点で既に最初の障害通報から半年になる。

 私の予感は的中した。交換したはずの別個体であっても、まったく同様の現象が発生した。本当に別個体に交換して送ってきたのだろうか?。早速、メーカーに直っていない旨を伝えた。仏の顔も三度まで。修理から戻ってくる度に動作確認するのは面倒だし、やはりダメだったときのストレスもある。そこで、会社の先輩から教わった通り、相手の社長あてに手紙を書くことにした。

 これまで3回の修理で半年以上経っても直っていないこと、再度機械を送っても、直る見通しがないこと、などをしたためて、社長宛に手紙を書いた。すると、手紙が届いたであろうその日にいつものサポートの担当者からメールが届いた。商品を上位の機種と交換したいとの申し入れだった。急転直下大進展である。

 まだ交換の商品は届いていないが、ここ数日で届くことだろう。ただ、社長の手紙に対して然るべき返信がないのが気になる(担当者からのメールは事務的ないつものやり取りだった)。社長名なり担当責任者から返信をよこすべきだろう。所詮、その程度の会社とみた。クレームの後、対応が良いとファンになる、なんて話を聞くが、そういう気には全くなれない。

 今日の気付き、「クレームの最終手段は社長に手紙」。

(秀)

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