大相撲の現役幕内力士が大麻の所持で逮捕される事件があり、日本相撲協会はまたしても蜂の巣を突いたような大騒ぎである。早速、北の湖理事長の会見であるが、どうも他人事のように聞こえる。いや、ように聞こえるではなく、彼自身自らの責任であることを認めたくないのだと思う。
ニュースショーのコメンテーターはこのような北の湖理事長に対して批判の声を挙げるが、それはあまりにもこくな話だ。以前の「かわいがり」と呼ばれる暴力事件ならまだしも、今回の大麻事件は各界の体質や伝統がその犯罪の温床になっているわけではなく、まったくの個人の犯罪でしかない。それなのに、協会や理事長にまでその責任を問うのはおかしなことだ。
また今回の事件は芸能人が同様に犯罪を犯したときに比べると取り上げ方が非常に大袈裟である。それこそ芸能界の体質という面がありながら、逮捕者のプロダクションの社長が管理責任を問われたり、引責辞任するような話は聞いたことがない。
犯罪はその犯罪者個人の責任であり、社会や環境のせいにするべき問題ではない。ましてや協会の体質やリーダーシップの発揮、改革などを取り上げるのはお門違いだ。自分に責任はないと思っていながらも、謝らなければならない、北の湖の心中を察すると可哀想でしょうがない。開き直って、「これは個人の問題で、協会の責任ではない」と言いたいかもしれないが、そうするとマスコミのバッシングを受けるので、ここは耐えるしかない。
負けるな北の湖。現役のときはあまりにも強すぎて嫌いだったけど、今は彼を全面的に応援したい。
(秀)