夏の怪談話としてはリアルすぎる話題。100歳以上の所在不明者の存在が次々に明らかになってきている。報道によりその数はまちまちだが、あるニュースでは今日明らかになった分も含めて全国で24人(夜のニュース時点では52人)と伝えていた。実際に調査を行った自治体の数はまだほんの僅か。私はこんな数で終わるはずはなく、軽く3桁に達し、100歳以上という制約を付けなれれば、その数は1,000人以上の規模になるのではないかと思っている。早急に全自治体で確認調査を行うべきだ。
足立区で白骨死体で男性が見つかった例は非常に悪質だった。死後32年もの間、よく死体と一緒に一つ屋根の下で生活できたものだ。「本人が会いたくないと言っている」ということで、家族が本人の区職員との面会を拒んでいた。嘘っパチである。しかも数年前に年金受給額を増額できるように申請し直し、振り込まれた金額のうち約800万円が何者かによって引き出されていた。これは明らかな詐欺行為だ。容疑者は逮捕し、情状酌量の余地もなく、執行猶予などという甘いことは言わずに、即懲役に処すべきだ。もちろん、だまし取った金は返してもらう。家財産を売り払ってでも。
杉並区の例では長女が出てきて、「母は弟と一緒に暮らしている」と言っていたが、ここ2、30年音信が途絶えているらしい。「気にはなっているんですが」とも言っていたが、気になる人がこれほど長い間事態を放置したままというのも嘘くさい。ついでにその弟も行方知れず。住民登録されているところは道路の建設現場になっていた。この長女、うすうすは本当のことを知っていてとぼけているのではないかという気がしてならない。
100歳以上の老人が単独で所在不明になって生きていけるとは、到底思えない。中には、「数年前に出て行った」と語る家族もいた。認知症なのかどうか分からないが、自分の親などの身内が家をふらりと出て行って帰ってこない事態を放置できている現実を理解するのは難しい。
失踪者は失踪者として法律の規定に基づいて、7年以上経ったものは粛々と死亡を認定し、状況を正しく一掃すべきだ。その上で年金等の不正受給が見つかった場合は即刻容疑者を逮捕、起訴すべき。100歳以上と限定せず、年金受給者は一斉調査を行うべきだ。強制権がない代わりに、受給停止の権利で対抗してはどうか。それにしても、年金って管理がいい加減だなあ、と改めて思った。
(秀)