第2083話 ■秘書問題

 秘書が何かやらかした話ではない。秘書を一人雇うとした場合、応募者の中から確実に優秀な秘書を見つけるためには、何人とまで面接を行うのが最も効果的かという話。仮に百人の応募があったら、その全員と面接をしてその中から最も優秀と思った人を採用するのが良いだろう。しかしそれには相当のエネルギーを要することになる。

 実はこの話、数学的な解答が既に提示されており、「秘書問題」というタイトル付けもされている。解答は、次のようになる。
①まず、37人目までは無条件に誰も採用してはならない。ただ、37人を採点し、最も優秀だった人はピックアップしておく
②38人目からは、前述の最優秀者と比較を行い、その人を上回る評価の人が現れたらその人を採用し、そこで面接は終了する
というものだ。「最適停止問題」の1つと言われている。

 この「37」という数字は、応募者数100人を数学定数e(=2.718)で割った答を整数化した値である。「数学定数e」の意味やどうしてこれが正しいかは文系の私には分からないし、こうして文章を書く以外の用途もないだろうから、理解しようと努力する気もない。「そういうもんなんだ!」としておくのが最も効率が良い。百人の応募者がなくとも同じような考え方で良い。仮に応募者が十人であれば、4人と5人が境目となる。

 実はこの問題、「結婚問題」という別名もある。但し、この問題の前提は最初に対象者数を明らかにしておく必要がある。実際の結婚では、いつをもって締め切って良いのかわからないのだから、この解答は成り立たない。「次を、次を」と粘っていたら年老いてしまうし、「じゃあ、元のあの人」と思っても、その人が待っていてくれているとは限らない。辛うじて、婚活として期間や対象者数を区切ったら、成り立つかな??。いやいや、採用の場合は雇う側に決定権があるが、結婚の場合はそう一方的にはいかない。

 今回分かったこと。候補者数がいずれであれ、2人以上いた場合、まず一人目は無条件に不採用にすべきであること(笑)。けど私は結構、「早い者勝ち」で縁を感じて決めてしまうことが多い。

(秀)