新しく身につけるものを買うとなると、しっくり感が重要であるが、店先ではなかなか判断ができない。靴を買うに、まず履いてみることは誰しもやる。色やデザイン、それにサイズの判断は店頭でも十分かもしれない。しかし、実際にその靴をおろした日の朝、玄関を出た僅か数十歩で違和感に気が付く。くるぶしの部分が擦れていたり、踵が痛かったり。底が滑る感じがしたり。歩いたことで初めて分かる。店先でその靴を履いたまま歩き回るわけにもいかなく、こんな経験は誰にでもあるだろう。
鞄もそうだ。これまで使用していた鞄から中身を移し替えた途端に形がいびつになったり、重心がおかしくなったり。手提げ部分の変形やそれに伴う違和感は結構致命的だ。傘を買う時も注意を要する。値段やデザインに気を取られていると、肝心な取っ手の部分のしっくり感を見落としてしまう。確かに握ってはみるものの、会計を済ませて持ち帰っている間にも取っ手の違和感を感じる場合がある。かく言う私も、新しく買った傘を一日持ち歩いてそう感じている。