買い物の醍醐味とは何だろう?。探していたもの、あるいは欲しかったものを探し出したときの達成感であったり、商品を手に入れたいという欲望を満たすことだったり。代金を払いながら、その商品を使用することで得られる効果(「効用」)を予見する事も買い物の楽しみでもあり、満足感でもあるだろう。
モノの代金はその原価や利益、あるいは需要と供給で決定されているわけだが、それ以外にもこのような満足度に対しての金銭的価値が含まれているから買い物が楽しい気がする。普段の買い物ではこのような意識はないだろうが、インターネットを利用した買い物となると流通過程だけでなく購入者の意識もこれまでの買い物とは変化してくるはずだ。
ここで私がかつて音楽CDを買った時のプロセスを紹介しよう。
【前提】
* アーティスト名不明
* アルバムタイトルは分かっている
* レコード会社名不明
* リリース時期が一九八〇年頃(正しくは一九八二年だった)
* オリジナルはLPレコード(きっと廃盤)、CD化されたかは不明
これだけの情報をもとにCDショップを訪ねたとしよう。店の棚はアーティストの名前順に並んでいるため、自ら探すことはできない。店員に尋ねても「分かりません」、「とりあえず調べてみますので、ここに必要事項を書いてください」という結果が予想される。CDショップの店員に思いの丈を伝えて店を後にするに違いない。
しかし、インターネットだとアルバムタイトルだけを手がかりに、アーティスト名、会社名、CDの商品番号等の情報が入手できるし、通販をやっているCDショップのサイトを見つけて注文もできる。今となっては当たり前のことだが、前述のCDショップでのやりとりに比べると格段の便利さである。私が求めていたCDの情報を提供してくれたのはそのアーティストの一ファンが運営している個人のホームページだった。
(秀)