深夜の更迭劇。そして翌日(正しくは同日と言うべきだろうが)は多くのマスコミがこの田中(前)外務大臣更迭の事件を追った。さっきからずっとチャンネルを変えながら、私もこのニュースを見ているが肝心なところがなかなか分からない。唯一良く分かることのは、国民の多くが今回のことに腹を立てていること。ある人は田中大臣の更迭に、そして「言った、言わない問題」を未解決のまま、幕引きしようとしたことに対し。
大橋巨泉がテレビで面白いことを言っていた。「田中大臣は外務大臣としてはいろいろとミスをしたが、それでは辞めさせられなかったのに、今回は良いことをして辞めさせられた」。「小泉首相がなすべきことは、3人を辞めさせることではなく、3人を官邸に呼んでいったい誰が嘘をついているのかはっきりできるのは小泉さんだけだった」、と。それができたのにもかかわらず敢えてそれをやらなかったことに新たな疑念が生じる。支持率低下を覚悟してまで、彼は何を守りたいのか?。
状況証拠からいって、誰(と誰)が嘘をついているかはそれとなく思いつく。現にNGOに対し、件の鈴木議員が何度も妨害を加えたということが報道されてもいる。そして、自民党内の抵抗勢力と言われる人々からの横槍もあったのだろう。このあたりがどうも分かりにくい。国民が求めているのは誰かの更迭や辞職ではなく、アフガン復興会議のNGOの参加に対し、ある国会議員の働きかけがあったかどうかであり、さらに大臣更迭の舞台裏である。
後任の外務大臣選任に対し、「一口で言えば、良い大臣を選びたい」という官房長官の言葉にも腹が立つ。田中前大臣は罠にはめられたのかもしれない。
(秀)